猫柳の咲く季節に
だけど、次の日の教室にあったのは、悲しい現実。
暗い表情の人と、友だちの輪の中で涙を流す人。
上手く…いかなかったのかな。
1人ぽつんと机でうつむく新山さんのところへ、寄り添う。
「大丈夫…?」
「…永瀬さん」
新山さんの目には、うっすらと涙が滲んでいるようだった。
もしかしたら、かなり深刻なことが起きているのかもしれない。
そんなことに気付いたくせに、何もしてあげられない自分が悔しい。