猫柳の咲く季節に
私は放課後、新山さんと佐川さんの2人を教室に残して、事情を聞くことにした。
「何があったの?」
直球でそう聞いても、新山さんはうつむき、佐川さんは大きなため息を1つ吐き出す。
昨日はあんなに元気だったのに、2人とも人が変わったよう。
「実はね…ちゃんと本当のこと言えたんですよ」
暗い表情だけど、それでも私に真実を話してくれたのは新山さんだった。
「ごめんなさいって、断ったんですよ…っなのに…」
途端に言葉が詰まって、泣き出してしまう。