猫柳の咲く季節に
「もういいよ。私はもう、2人のことは友だちだと思えないから」
その言葉だけを残して教室から去っていってしまう佐川さん。
取り残された私たちはどうすればいいのか分からなかった。
追いかけるべきか、謝るべきか…
だけど、なんて声をかけていいのかさえ分からない。
中学生という未熟な私たちには、過去にそんな経験がないから、初めてのことに戸惑うばかりで。
だからなのかもしれない。
自然と涙が溢れ出てきてしまうのは。