猫柳の咲く季節に


「ってか、俺で本当に大丈夫?」


説明を終えた入谷くんが私の方を向いて、不安そうな表情で尋ねた。


「もちろんだよ、入谷くんは学級委員でしょ?」


「いや、そうだけど…」


それでもまだ信じがたいようで…


「いいじゃん、そんな難しい仕事じゃないんだし!それに、しおりのせっかくのご指名を断る気!?」


そのとき、希美ちゃんが入谷くんの丸まった背中を思いっきり叩いた。

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