猫柳の咲く季節に
第8話
知らないままで
数日後、指定された場所でもある、北沢高校に向かった。
初めて見た高校の迫力に、ちょっと圧倒され気味。
南沢高校とは違った、白く大きな校舎。
中に入ってみても、広すぎて迷路のよう。
迷子にならないか、それだけがただ心配。
みんなはもう来ているのかな。
ふと、思った。
まだ誰ともすれ違っていない。
休日だけあって、北沢高校の生徒さえも1人として見えない。