猫柳の咲く季節に


「あの…っ!千鶴さん、いやがって、ますよ…?」


怖くて、言葉が途切れてしまう。


でも、思いは、佐川さんに伝わったようで、すぐに睨みの目を向けてきた。


「だから?どうせ、助けらんないくせに」


「……っ!」


言い返せない。


やっぱり、心が震える。


「ってか、臆病者のあんたに言われたくないんですけど」


そんなことは、私自身が1番よくわかっている。


あのときも、そうだったから。


だからこそ、臆病者で終わりたくない。


次は頑張りたいんだ。

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