猫柳の咲く季節に


「ごめんね、千鶴さん…2回も、こんな目にあわせてしまって」


「いえ。永瀬さんがいたから、私は、頑張れているんです。むしろ、お礼を言わなければいけないくらいですよ」


「お礼なんて、そんな…」


ふふっ、と小さく笑みを浮かべた千鶴さん。


「やっぱり変わってないですね、永瀬さんは」


「え?」


どういう意味なんだろう、と耳を傾ける。


「優しくて暖かい、すてきな人ですよ。昔も今も」


まさか、そこまで褒められるとは思っていないから、さすがに照れてしまう。


だけど、そんな空間は、突然に壊される。

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