猫柳の咲く季節に
「もういい…!」
そのまま会議室を飛び出す、佐川さん。
やった、のかな。
佐川さんに、勝てた…?
思い、伝わった…?
私の体は、トラウマから解放されたことによる安心か、力が抜けてゆく。
「永瀬さん……!?」
その場に座り込む私に、水を持ってきてくれる千鶴さん。
「ありがとう」
「いえ、こんなことしか出来なくて、すみません」
それを受け取って、ゆっくりと口に運ぶ。
身体中が潤ってくるようで、少し気分が楽になった。