猫柳の咲く季節に
「あれ、もう真ん中しか空いてない?」
「柏木、くん…」
なんで、こういう風になるように、仕向けられたのか。
それが分からないまま、ただ顔だけが熱くなっていく。
「ごめんね、俺が隣になっちゃって…」
申し訳なさそうに、眉を下げる。
「そんな…!むしろ、こっちが謝りたいくらいだよ」
「謝りたい?なんで?」
えっ……!?
そう返されるとは、思っていなかった。
だけど、なんとなく、察してほしい。