猫柳の咲く季節に


「よし、行くよ」


最後にボタンを強く押し付けて、こっちに戻ってきた。


「5、4、3…」


大声で、カウントダウンを叫ぶ彼。


さっきの言葉の意味が分からず、ずっと今の私の頭の中を支配するから、カウントダウンがどういう意味を示しているのか、理解する暇もなく、0を迎える。


その瞬間、カシャッという小さな音が鳴り響いた。


その音で、今の状況を理解する。


同時に、激しく後悔した。

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