猫柳の咲く季節に
「…っ苦しい」
何とか絞りながら声を出すと、柏木くんがそれに気づいてくれたようで、腕を解く。
「わっ…!ごめん」
ふと、柏木くんの顔を見ると、ものすごく真っ赤だった。
恥ずかしいなら、やらなきゃよかったのに。
だけど、とても嬉しかった。
「本当は、俺から言うつもりだったのに…」
すると、シオを私のひざの上に乗せて、空いた分をつめてくる。
初めての近距離に戸惑って、顔をそらしてしまう。