猫柳の咲く季節に



「何言ってんの、永瀬さん!そんなこと、気にしなくていいのにー。私、全然怒ってないよ?」


明るい声で、軽く私の背中を叩く。


「本当に怒ってないの…?」


「え?怒ってないって言ったでしょ。もう、本当にどうしちゃったのー?」


記憶喪失とか?なんて言いながら、私の頭を触ったり、撫でたりしている。


やっぱり、これが希美ちゃんだ。


そう思いたい。

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