猫柳の咲く季節に
「…おつかれ」
「おう!さんきゅっ」
グッと、親指を立てて、私に見せた。
「そういや、永瀬は今日誰か来んの?」
「うん。友だちが…」
「そっかー!やっぱ、来るよねー」
誰かいないかなー、と独り言のようにつぶやいた入谷くんは、なんだか切なそうで…
「どうしたの…?」
そう、聞かずにはいられなかった。
「実はさー、俺学級委員だから休みが間々で、今、1時間だけ急に空いたんだよね。だから、誰かヒマな人探してるんだけど、なかなか知り合いに会えなくて…」