猫柳の咲く季節に


はぁ…


どこにいるんだろ…


私は疲れ果てて、図書室に行った。


ここなら静かだから休めそう。


だったけど…


扉を開けてみると、そこにいたのは、私がずっと探していた、メガネの北沢高校生…


「柏木くん…」


その人は、私の声に反応して、ゆっくりと振り返った。


「…永瀬さん!」


メガネの奥からも優しさが溢れるような、そんな表情をして、にこっと笑った。


「会えてよかった…!」


「…私も」


まさか、こんなかたちで会えるとは思ってなかったから、より嬉しさがこみあげてくる。


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