強引社長の不器用な溺愛
「1月3日に?仕事ですか?」


「ああ、そうだ。何か用事があるか?」


ふざけているなら、この辺でわかる。しかし、社長は普段仕事を頼む時と同じ雰囲気だ。


「用事はないです。業務でしたら……お付き合いしますが」


「よかったよ、それじゃ同行を頼む。あとでメール入れておくが、当日は10時に吉祥寺。一応、接待なんで服は準フォーマルくらいで」


接待?
どういうことだかわからないけれど、社長が私を指名しているなら、女手がいるのだろう。

古い考え方だし、セクハラだなんて言われることもあるけれど、接待の場を華やかにしようと女性を連れて行くなんてことはたまにある。
どこかでお偉いさんと新年会とか?


「わかりました」


「あと、掃除も終わるから仕事納めの乾杯の準備を頼むわ」


「ああ、はい……」


私は頷き、まだよくわからないままフロアに入った。



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