強引社長の不器用な溺愛



1月も半ば。正月ムードも徐々に失せ、我が社も変わらず稼働している。
年末のキノコファームの案件は、敬三さんがうまく進めてくれているようで、現在は大きな動きはない。

平和だ、平和。

俺がオフィスチェアにふんぞり返ってあくびをしていると、頭にどすんと衝撃。
チョップを繰り出しているのは篠井だ。


「呑気ですね。今日はもうお仕事なしなんですか?」


「おー、あるよ。だけど、あくびをする暇もあるんだよ」


「たるんでます。みんなにあくびがうつるので、キリキリ仕事してください」


篠井は俺の頭をぐいぐい起こし、オフィスチェアをコロコロ押すと俺をデスク前に移動させる。

ママか、おまえは。


「絹ちゃん、コーヒーください」


「セルフサービスです。今時、上司のお茶淹れとかやるOLなんて、絶滅危惧種ですよ」


「それは言い過ぎなんじゃ……」


「いーから、はい!」


篠井は俺の右手をマウスにオン。
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