強引社長の不器用な溺愛
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金曜の夜、19時。
私はドラマの録画を流しながら、缶チューハイ片手に固まっていた。
けして、缶チューハイがまずいわけでも、目の前のドラマが面白くないわけでもない。
さっき、はりきって作った皿うどんがもたれているわけでもない。キャベツとさつま揚げを入れすぎた感はあるけれど。
社長に、好きだって言われた。
バーの帰りに三度目のキスをされた時から、なんとなく感じていたことが現実になった。
社長は私が好き。最初のキスから、私のことを考えていた。
それは、私も同じ。
あのキスから、社長がすべての特別になった。
仲間で上司で相棒で、かけがえのない人。そこに恋愛の欲が加わってしまった。
クリスマスイブは、流されたくなくて、遊びの関係になってしまいたくなくて拒否したけれど、今なら向き合えるんじゃなかろうか。
だけど、同時に考える。
社長とはずっと仲間として過ごしてきた。
ここで変化を加えることは正解?
ふたりとも一時的な気持ちで抱き合ったら後悔しない?
それ以前に社長が答えを求めていなかったあたりにやや引っかかるものもあり……。
案外、社長も勢いで言ってみたものの、責任取れるか悩み中だったりして。
あー、ありえそう。
あの人が適当と勢いで生きてるっていうのは、私が一番よく知っている。
結果、どうしたらいいのやら、現在わからんちんであります。