強引社長の不器用な溺愛
「だから……!あなたと身も心もつながるのは嬉しいし、望んでいることです!……まあ、本気でビビってますけど。初めては痛いっていうし。あと、あり得ない行動したり、変な顔したり、変な声出して、嫌われたらって思うと慎重にならざるを得ないと言いますか……」


「そんなこと、気にしてたのかよ!」


東弥さんがぶふっと吹き出す。
そんなことっていうけど、処女・篠井絹には大問題なんです!!


「絹は俺が好き?」


東弥さんが私の顔を覗き込んでくる。まるで大型犬のように優しい瞳が私を見ている。
あらためて聞かれると猛烈に恥ずかしい。だけど、勇気を出して頷く。


「大好きです」


偽らざる気持ちだ。あなたに夢中。大好き。


「じゃ、俺の気持ちだってわかるだろ。どんなおまえも好き。大好き。変な顔したり、変な声出していいよ。痛くて、騒いで逃げてもいいよ」


「東弥さん」


「絹に触れたい」


東弥さんが胡坐のまま、腕を伸ばしてくる。少し足りない距離を補うように、私は絨毯に手をつき、前かがみになる。
彼の手がさらっと私の髪を撫でた。

なんだろう、不思議。
さっきまでの不安がするすると融けていく。
緊張感よりも大きな気持ちは、東弥さんの手でもっと触れてほしいってこと。
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