強引社長の不器用な溺愛
この土日、私と東弥さんは、私の自宅でのんびりおうちデートなのだ。
私イチオシの刑事ドラマをがっつり見ようねって決めたというのに、東弥さんたら、もう限界みたい。

日はとっぷり暮れたけれど、まだ見始めてほんの8時間程度。
シーズン1すら見終わってないよ。

私の横にどかっと座り、頭をかく東弥さん。


「絹が結構インドア派なのは、付き合って2ヶ月も経つとわかるけどさ。まさか、メシ食う時間も惜しんで、ソファ前から動かずドラマ漬けとは!」


ちょっとずつ見せ始めた私の趣味、ドラマ鑑賞。
付き合わせるのは今日が初だったりする。

えーと、これはやはり引かれてるかなあ。
へらへら笑って聞いてみる。


「付き合う前はこういう女だって、気づかなかったですか?」


「おー、週末はエステで自分磨きか、年上のパトロンとゴルフとか想像してた。たっかいメシ屋でグルメ三昧とかな」


私のイメージ戦略、徹底して成功だったのね。
少しの満足と、いよいよ本性がバレた気まずさを覚える。
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