強引社長の不器用な溺愛
「はっ……東弥さん?わわわ私……っ」


どうしよう!
なんて言ったらいいの?なんて言ったら挽回できる?

やっぱりこんなディープな休日は封印しておくべきだった?
何でもソツなくこなすデキル篠井絹でいればよかったの!?

混乱しきって目尻に涙が浮かんできた。


「東弥さんっ!」


両手で彼の右肘をがしっとつかむ。


「す……捨てないでください」


ぽつんとこぼれたのは、恥も外聞もない言葉……。

でも、これ以外浮かばなかったんだよ!
東弥さんに嫌われたくないんだもん!それだけなんだ!

ああ、東弥さんがスーパーポカン顔で私を見下ろしてらっしゃるよ!


すると、東弥さんが一気に顔を近づけ、私の唇を奪った。
ちゅ、と音をたてて離れていく唇を、呆然と見つめる私。


「捨てるかよ、バカ」
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