強引社長の不器用な溺愛
「くっつくと、ムラムラしてくんぞ」


東弥さんが一応警告してくれるので、私は抱きついた格好のまま近くに置いたリモコンを取る。刑事ドラマの9話目を一時停止させた。
それから彼の首筋に顔を埋める。


「東弥さんの見抜けなかった本性、私もあります」


しっとりとささやくと、東弥さんがぴくっと身体を揺らした。


「実は、野獣で荒っぽくって自分勝手じゃないんですよね」


「何がだよ」


「エッチ。……じっくりたっぷり優しいもん。焦らすのも焦らされるのも、ホントは大好きなんでしょ?」


東弥さんが私の両肩をつかみ、首筋から引き剥がす。

真正面から見つめ合う私たちは、どちらも挑戦的な顔をしていると思う。

鮮やかに欲に染まった彼の瞳。
綺麗。大好き。

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