強引社長の不器用な溺愛
ゆらぁっと社長が立ち上がる。
びくっと条件反射でビビる私。
しかし、社長は飲み終えたコーヒーマグを洗い物用のカゴに入れただけ。
こっわ!
無表情こっわ!
「篠井、こっちこい」
挑発しまくったのは私だ。
さすがに部下としてやり過ぎた。甘んじて怒られるしかない。
おずおずとデスクまで近づくと、社長は言った。
「そこまで言うなら、試してみろよ。俺とのキス」
「え?」
今、なんと?
キス?
試す?
社長と?
「素人童貞か、経験ゼロか。試してみろよ、経験豊富な篠井サン」
社長が間近く私を見下ろし、にやっと企んだ笑みを浮かべた。
わかったぞ。この男、わかりやすく私を挑発している。
『おまえこそ、経験豊富とか言っちゃってるけど、実際は経験ねーだろー』
そんな悪意ある挑発を感じますよ、ワタクシ。
「いいですよ、キスくらい」
受けて立とうではないか。この戦。
この適当ガキ大将男に舐められてたまるか。
絶っっっ対、私のキスでこてんぱんにしてやる。
キスくらいなら、大丈夫だもん。経験あるもん。
私が余裕の表情を作って微笑むと、社長がずいっと一歩近づく。
反射的に一歩下がってしまう。
おいおい、逃げるな、私。
そう思いつつ、もう一歩下がってしまう。
腰が社長のデスクにぶつかった。
「篠井、顔こっち向けろ」
……これ以上、逃げ場はない。
私はごくんと生唾を飲み込み、挑むように彼を見上げた。
*****
*****
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びくっと条件反射でビビる私。
しかし、社長は飲み終えたコーヒーマグを洗い物用のカゴに入れただけ。
こっわ!
無表情こっわ!
「篠井、こっちこい」
挑発しまくったのは私だ。
さすがに部下としてやり過ぎた。甘んじて怒られるしかない。
おずおずとデスクまで近づくと、社長は言った。
「そこまで言うなら、試してみろよ。俺とのキス」
「え?」
今、なんと?
キス?
試す?
社長と?
「素人童貞か、経験ゼロか。試してみろよ、経験豊富な篠井サン」
社長が間近く私を見下ろし、にやっと企んだ笑みを浮かべた。
わかったぞ。この男、わかりやすく私を挑発している。
『おまえこそ、経験豊富とか言っちゃってるけど、実際は経験ねーだろー』
そんな悪意ある挑発を感じますよ、ワタクシ。
「いいですよ、キスくらい」
受けて立とうではないか。この戦。
この適当ガキ大将男に舐められてたまるか。
絶っっっ対、私のキスでこてんぱんにしてやる。
キスくらいなら、大丈夫だもん。経験あるもん。
私が余裕の表情を作って微笑むと、社長がずいっと一歩近づく。
反射的に一歩下がってしまう。
おいおい、逃げるな、私。
そう思いつつ、もう一歩下がってしまう。
腰が社長のデスクにぶつかった。
「篠井、顔こっち向けろ」
……これ以上、逃げ場はない。
私はごくんと生唾を飲み込み、挑むように彼を見上げた。
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