強引社長の不器用な溺愛
私はコーヒー、社長はさらにトーストとサラダ、ホットケーキを頼んだ。ちょっとお兄さん、がっつりメニューじゃないスか。


「ジム行ってないんでしょう?そんなに頼むと太りますよ」


一応突っ込んでみるけれど、社長はむしろ憤慨したように答える。


「ホットケーキだぞ。パンケーキではなく!食べたくなるだろーが」


それならトーストをやめればいいのに。
予想できる答えは『ホットケーキじゃ足りない』なので、言わないでおく。

やってきたホットケーキにメープルシロップをたっぷりかけ、真っ先に食べだす社長。

子どもか。

あーでもいいにおい。美味しそうだなぁ。
牛丼食べたのに、ぐっとくるなぁ。

私はこちらも美味しいコーヒーを飲みながら見守る。


「ホットケーキとパンケーキってどう違うんだ?」


「知りません。自分で調べてください」


「つか、ホットケーキミックスで作ったら、絶対ホットケーキだろ。……天才。ホットケーキミックス考えたヤツ」


このお店のものがミックス粉を使っているかもわからないのに、そんなことを言う社長。
確かにホットケーキミックスは私も好き。
天才っていうのは同感。
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