強引社長の不器用な溺愛
しかも、相手は俺。

絶対あいつの中で俺は『厄介な男』ってポジションだ。
それについては自信がある。

篠井が俺にノリで最後までを許すはずがない。

あーとにかく、俺は今までと変わらぬ関係でいたいんだ。
篠井絹とは。

そのためにあんなことをしちゃいけなかった。
しかし、後悔先に立たずっつう言葉は、体感してみるまでしっくりこないもんだな!
ただいま実感中、八束東弥30歳!

すでにがっつりキスをしてしまったわけで、それならせめて態度くらいは大人でいたいというのに。
避けるなよ、篠井。

俺は意地でもいつも通りいくからな。おまえに媚びて、機嫌とるようなことはしてやんないからな。

だから、頼むから早めに、通常運転に戻ってくれませんかね。

俺は残った連中の進捗を聞き、あと一時間ほどで自分もあがってしまおうと考える。

ラーメン食って帰ったろうかな。背油系のこってりつけ麺。篠井が『食べ過ぎ!』とか言うレベルの大盛。
小言でもいいから、篠井の素の言葉が聞きたいと思った。



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