百瀬さんと堀先輩の恋愛事情
 


「次は…あ!あれはどうですか?」

「んー的当て?」

「はい!少女漫画とかでよくありますよね、男の子が彼女の欲しいものをそれでとってはいプレゼントってやつ!先輩の腕の見せ所じゃあないですか!!」

「んー」




そう先輩は200円お店の人に払い、鉄砲を手に獲物を探す。ふんふんふん、と聞こえるのは鼻歌だろうか。


それから獲物を決めたのか、狙いを定め銃を構える。その光景が様になっていてついかっこいいと思ってしまった。


まあ、絶対本人には言わないけど。




弾は10発。




「あ!花ちゃーん」

「なんですかーせんぱーい」

「これ決めたら後で写真頂戴ね」

「うぃーす」




余裕そうな、笑み。



きっと先輩の事だから軽く何発か決めてしまうんだろうな。そう思ったもつかの間。パンパンパンと軽い音が聞こえたかと思うと、あっという間に10発。


人生そう甘くはない。


……手に入れた景品はゼロ。全てはずれであった。


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