百瀬さんと堀先輩の恋愛事情
ベッドで仰向けになりながら枕元に飾ってある写真を手に取る。
「(堀先輩って、あんな趣味あったんだ。ずっと近くにいたつもりなのに知らなかった)」
あたしが知ってる先輩は、バスケが好きで笑ってて優しくて。……全然あたしわかってなかったのかな。
どことなくあたしの名前を笑いながら呼ぶ堀先輩を頭に思い浮かべる。あの先輩の笑顔、あたしもついつられて笑ってしまうんだよな。なんて。
褒めるときは笑いながらくしゃくしゃとあたしの頭撫でまわすし、…あれ、髪が乱れるからやめて欲しいんだよね。でも……。
そっと思い出して頭に右手をあてる。
撫でてくれる時の先輩の温かい手、大きな男の人の手。その手は何だか不思議と落ち着くんだよね、とか思ったりして。
コトリと、心臓が大きな音を立てた気がした。
恋は盲目だと言うけれど。
……やっぱり先輩の事が好きだなって思った。