蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
2.先生、休憩のお時間です
…もちろん、土日には、蘇芳先生の自宅にはいかなかった。
…いや、いけるわけがなかった。だって、雪愛は、蘇芳先生がどこに住んでいるのか知るわけがない。行った事もなければ、あの時、蘇芳先生に教えられたわけでもなかった。
でもだからこそ、安心していられた。
知っていたら、行かなきゃならない使命感で、無意識に料理を作りに行ってたかも知れなかったから。
週明けの月曜日は、日勤で、8時から5時までの勤務。
看護師は、多少前後する事などは当たり前で、残業なんて何も言わなくても、毎回しなければならなかった。
「雪愛」
「・・・あ、由紀ちゃん」
…同期の浅井由紀は、看護学校の時から一緒だった仲良しの相手。歳は、中卒の雪愛より、3つ上。高校を卒業してから看護学校に入った由紀は、雪愛にとって、良き友達であり、良き姉といった存在でもあった。
「…さっき、見たよ~」
「・・・何を?」
薬のアンプルが入った箱を抱え、雪愛が、由紀に問いかける。
「内科の三条先生・・・この三条総合病院の跡取り息子よね。優しいし、イケメンだし」
そう言ってニヤニヤしてる由紀を見て、雪愛は、首を傾げる。
「もう、もしかして気づいてないとか言わないよね?」
「・・・何に?」
「・・・え?三条先生って、雪愛の事、好きでしょ?」
「・・・は?」
由紀の言葉に、雪愛は、キョトンとする。
それを見た由紀は、はあ~と、大きな溜息をついた
「可哀相…三条先生」
「何が可哀相なの??」
「あれだけ、好き好きオーラ出してるのに、気づかないなんて」
「…好き?三条先生が?…まさか、そんな事あるわけないじゃない」
雪愛は、声をあげて笑った。
…いや、いけるわけがなかった。だって、雪愛は、蘇芳先生がどこに住んでいるのか知るわけがない。行った事もなければ、あの時、蘇芳先生に教えられたわけでもなかった。
でもだからこそ、安心していられた。
知っていたら、行かなきゃならない使命感で、無意識に料理を作りに行ってたかも知れなかったから。
週明けの月曜日は、日勤で、8時から5時までの勤務。
看護師は、多少前後する事などは当たり前で、残業なんて何も言わなくても、毎回しなければならなかった。
「雪愛」
「・・・あ、由紀ちゃん」
…同期の浅井由紀は、看護学校の時から一緒だった仲良しの相手。歳は、中卒の雪愛より、3つ上。高校を卒業してから看護学校に入った由紀は、雪愛にとって、良き友達であり、良き姉といった存在でもあった。
「…さっき、見たよ~」
「・・・何を?」
薬のアンプルが入った箱を抱え、雪愛が、由紀に問いかける。
「内科の三条先生・・・この三条総合病院の跡取り息子よね。優しいし、イケメンだし」
そう言ってニヤニヤしてる由紀を見て、雪愛は、首を傾げる。
「もう、もしかして気づいてないとか言わないよね?」
「・・・何に?」
「・・・え?三条先生って、雪愛の事、好きでしょ?」
「・・・は?」
由紀の言葉に、雪愛は、キョトンとする。
それを見た由紀は、はあ~と、大きな溜息をついた
「可哀相…三条先生」
「何が可哀相なの??」
「あれだけ、好き好きオーラ出してるのに、気づかないなんて」
「…好き?三条先生が?…まさか、そんな事あるわけないじゃない」
雪愛は、声をあげて笑った。