蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
「…そんなに傷つけた三条先生と、本当に結婚するの?」
由紀の問いかけに、雪愛は答えられなかった。何もかも投げ出してしまっている今、考える事もままならない。
「…止めても良いんだよ。…もう、何にも縛られるものは無くなったんだから。そんな人と、結婚なんて、しなくていいんだよ」
なおも泣き続ける雪愛の背中さすりながら、由紀は諭すように言い続けた。
「…笑顔になれない結婚なんて、幸せになれない結婚なんて、しないで」
「…由紀、ちゃん」
「…私が側にいてあげる。雪愛が心から笑って、幸せだと感じられるまで、必ず側にいてあげるから、勇気を振り絞って断ろうよ。1人が無理なら、私も一緒に行くから」
「そんな事したら!…そんな事したら。由紀ちゃんが、この病院にいられなくなる」
「…バカね。クビになったって、構うもんですか!今は看護師不足で、どの病院も、口から手が出るほど看護師が欲しいのよ?どうにでもなるわよ。それに、いざとなれば、永久就職って手もあるんだから」
「え…由紀ちゃん、そんな人いたの?」
「…いるわけないじゃん」
由紀はそう言って笑った。
由紀の問いかけに、雪愛は答えられなかった。何もかも投げ出してしまっている今、考える事もままならない。
「…止めても良いんだよ。…もう、何にも縛られるものは無くなったんだから。そんな人と、結婚なんて、しなくていいんだよ」
なおも泣き続ける雪愛の背中さすりながら、由紀は諭すように言い続けた。
「…笑顔になれない結婚なんて、幸せになれない結婚なんて、しないで」
「…由紀、ちゃん」
「…私が側にいてあげる。雪愛が心から笑って、幸せだと感じられるまで、必ず側にいてあげるから、勇気を振り絞って断ろうよ。1人が無理なら、私も一緒に行くから」
「そんな事したら!…そんな事したら。由紀ちゃんが、この病院にいられなくなる」
「…バカね。クビになったって、構うもんですか!今は看護師不足で、どの病院も、口から手が出るほど看護師が欲しいのよ?どうにでもなるわよ。それに、いざとなれば、永久就職って手もあるんだから」
「え…由紀ちゃん、そんな人いたの?」
「…いるわけないじゃん」
由紀はそう言って笑った。