蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
「…雪愛、親父とどこで知り合った?」

今日1日を終え、ベッドの中、蘇芳先生は雪愛を抱き締めたまま問いかける。

「…蘇芳先生に、妊娠の事を告げたあの日です。悩んでて、ふと、蘇芳先生が開業する病院を見に行ったら、体調が悪くなって、それでお父様が助けてくれて…その時は、まさか蘇芳先生のお父様だとは知らなくて、一度きりの人だし、話してみてもいいかなって、悩み事を聞いてもらって、そしたら、彼が大事な人なら、尚更話しなさいって言ってくれて…」

「…それで、救世主なんて言ったのか。…でも、親父のおかげで、今の俺たちがあるだな。感謝しないと」

蘇芳先生の言葉に、雪愛も頷いた。

…。

それから、数日後。

両家の顔合わせがあり、結婚式や入籍の事について話し合いがあった。

妊娠してることもあり、次の大安に入籍する事にした。

結婚式は、雪愛はしないと言ったが、両家の親が、一生に一度の事だから、式だけは挙げた方がいいという。

「雪愛のウエディングドレス姿が見たい」

蘇芳先生の言葉に、雪愛は式だけは挙げる事にした。
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