蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
…、それから直ぐに始まった帝王切開によって、元気な女の子が産まれた。
名前は、雪愛の愛の字を取って、『愛(あい)』と、名ずけられた。
入院生活も、帝王切開ということもあり、少し長引き、愛に黄疸が出て、更に入院が伸びて、退院出来たのは、出産から、10日が過ぎた頃。
蘇芳先生が、退院する雪愛を迎えに来た。
そしてすぐ、雪愛を抱きしめる。
「…秀明さん、愛が潰れちゃう」
「…ぁ、ごめん。でも、早くこうしたかったから」
そう言って苦笑した蘇芳先生。…無理も無い。出産したその日に2人を見ただけで、開院したばかりの病院が忙しく、全く来られなかったのだ。
「…可愛いな、愛。雪愛にソックリだ」
そう言って鼻の下を伸ばす蘇芳先生を見て、雪愛は、クスクスと笑った。
「…退院おめでとうございます。担当医の坂本です」
「…この度は、大変お世話になりまし…た」
坂本先生と蘇芳先生は、実は今日が初対面。それなのに、2人は顔を見合わせて、驚いた顔をしている。
「…秀明さん、坂本先生とお知り合いですか?」
「…あぁ、ちょっと」
雪愛を見つめる瞳は優しいのに、坂本先生を見るその目は、明らかに穏やかなものではなかった。
名前は、雪愛の愛の字を取って、『愛(あい)』と、名ずけられた。
入院生活も、帝王切開ということもあり、少し長引き、愛に黄疸が出て、更に入院が伸びて、退院出来たのは、出産から、10日が過ぎた頃。
蘇芳先生が、退院する雪愛を迎えに来た。
そしてすぐ、雪愛を抱きしめる。
「…秀明さん、愛が潰れちゃう」
「…ぁ、ごめん。でも、早くこうしたかったから」
そう言って苦笑した蘇芳先生。…無理も無い。出産したその日に2人を見ただけで、開院したばかりの病院が忙しく、全く来られなかったのだ。
「…可愛いな、愛。雪愛にソックリだ」
そう言って鼻の下を伸ばす蘇芳先生を見て、雪愛は、クスクスと笑った。
「…退院おめでとうございます。担当医の坂本です」
「…この度は、大変お世話になりまし…た」
坂本先生と蘇芳先生は、実は今日が初対面。それなのに、2人は顔を見合わせて、驚いた顔をしている。
「…秀明さん、坂本先生とお知り合いですか?」
「…あぁ、ちょっと」
雪愛を見つめる瞳は優しいのに、坂本先生を見るその目は、明らかに穏やかなものではなかった。