蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
3.先生、当直のお時間です
…次の日、夜勤だった雪愛は、午前10時に起床した。だが、その目覚めは、決していいものではなかった。
「…もしもし?」
目覚まし時計ではなく、携帯の着信で起こされた。寝起きの声でそれに出た雪愛だったが、電話の相手は、一言も発しない。
一瞬、携帯を耳から離し、着信相手を確認するが、番号が表示されてるだけで、誰だかわからない。
…間違い電話か?
「…どちらにおかけですか?間違いなら切りますよ?」
『…俺だ』
…俺だ??…誰??再び、携帯の表示を確認したが、番号では、誰なのかわかるはずもなく。
「俺だって、誰ですか?イタズラなら切りま『…蘇芳たけど』
…寝ぼけた頭が一気に覚醒したのがわかった。
「な、なな、なんで、私の携帯…」
『職員名簿を見ればわかる』
…なるほど。あれには確か、連絡先や住所が記載されてるな。と、雪愛は納得した。
『なんで、何も言わずに帰った?』
「…」
『帰る時には、一声かけろと言ったはずだが?』
「…気持ちよさそうに眠ってたから…起こすのは申し訳ないと思ったんです」
…。
しばらくの沈黙の後。
『…次は、寝てても必ず起こせ。女が一人、夜道を帰るのは危な過ぎるから』
「あの…‼︎…」
雪愛が言葉を発しようとしたら、切られてしまった。
…全く、目覚め悪い。雪愛は、深く溜息をついた。自分は悪くないのに。なんであんな言われ方をしなければいけないのか?
…ん?
わざわざ連絡をくれたのは、心配してくれてたのかな?と、思ったが、大きなあくびが、その思考を途切らせた。
「…もしもし?」
目覚まし時計ではなく、携帯の着信で起こされた。寝起きの声でそれに出た雪愛だったが、電話の相手は、一言も発しない。
一瞬、携帯を耳から離し、着信相手を確認するが、番号が表示されてるだけで、誰だかわからない。
…間違い電話か?
「…どちらにおかけですか?間違いなら切りますよ?」
『…俺だ』
…俺だ??…誰??再び、携帯の表示を確認したが、番号では、誰なのかわかるはずもなく。
「俺だって、誰ですか?イタズラなら切りま『…蘇芳たけど』
…寝ぼけた頭が一気に覚醒したのがわかった。
「な、なな、なんで、私の携帯…」
『職員名簿を見ればわかる』
…なるほど。あれには確か、連絡先や住所が記載されてるな。と、雪愛は納得した。
『なんで、何も言わずに帰った?』
「…」
『帰る時には、一声かけろと言ったはずだが?』
「…気持ちよさそうに眠ってたから…起こすのは申し訳ないと思ったんです」
…。
しばらくの沈黙の後。
『…次は、寝てても必ず起こせ。女が一人、夜道を帰るのは危な過ぎるから』
「あの…‼︎…」
雪愛が言葉を発しようとしたら、切られてしまった。
…全く、目覚め悪い。雪愛は、深く溜息をついた。自分は悪くないのに。なんであんな言われ方をしなければいけないのか?
…ん?
わざわざ連絡をくれたのは、心配してくれてたのかな?と、思ったが、大きなあくびが、その思考を途切らせた。