蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
雪愛は、母子家庭で育ち、母の負担を考え、中学卒業と同時に、看護助手の仕事をしながら、看護学校に通い、准看と高卒の資格を取得した。
根っから真面目な性格の雪愛。何事にも一生懸命な雪愛を、周囲はいつも温かな目で見守ってくれる。
笑うとえくぼの見える可愛らしい容姿の雪愛。
そんな雪愛に、密かに想いを寄せている男子は沢山いた。
だが、雪愛は仕事に没頭するあまり、色恋沙汰には無頓着で、全く気づいておらず…
でもだからこそ、飾らない雪愛を尚更可愛いと皆が、思ってしまうのだ。
…それなのに、何故、蘇芳秀明は、雪愛の事が嫌いなのか?
「…蘇芳先生、そんなに怖い顔してたら、子供が泣いちゃいますよ!」
「…一々、煩い」
眉間にしわを寄せ、咳払いをした蘇芳先生は、目の前にいる患者(五歳の男の子)に、聴診器を当て診察している。
…怖い顔で、診察するものだから、男の子は今にも泣き出しそうだ。
「…心雑音が酷いな。…奏太、お前また、院内で走り回っただろ?」
痛いところを突かれ、患者の奏太君は、泣き出した。
「もぅ!だから、言ったじゃないですか!」
泣き出した奏太君を、雪愛は慌てて抱き上げた。
根っから真面目な性格の雪愛。何事にも一生懸命な雪愛を、周囲はいつも温かな目で見守ってくれる。
笑うとえくぼの見える可愛らしい容姿の雪愛。
そんな雪愛に、密かに想いを寄せている男子は沢山いた。
だが、雪愛は仕事に没頭するあまり、色恋沙汰には無頓着で、全く気づいておらず…
でもだからこそ、飾らない雪愛を尚更可愛いと皆が、思ってしまうのだ。
…それなのに、何故、蘇芳秀明は、雪愛の事が嫌いなのか?
「…蘇芳先生、そんなに怖い顔してたら、子供が泣いちゃいますよ!」
「…一々、煩い」
眉間にしわを寄せ、咳払いをした蘇芳先生は、目の前にいる患者(五歳の男の子)に、聴診器を当て診察している。
…怖い顔で、診察するものだから、男の子は今にも泣き出しそうだ。
「…心雑音が酷いな。…奏太、お前また、院内で走り回っただろ?」
痛いところを突かれ、患者の奏太君は、泣き出した。
「もぅ!だから、言ったじゃないですか!」
泣き出した奏太君を、雪愛は慌てて抱き上げた。