蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
「そうなんだ。でも、救急の看護師達が
褒めてたよ」

そう言って微笑んだ三条先生。雪愛は安堵の溜息をついて、微笑み返した。

「…そうなんですか?良かったです…皆さんの足を引っ張らなくて…ところで、ヘルプのご指名、三条先生ですか?」

雪愛の問いに、三条先生は首を傾げた。

「…いや、バタバタしてたし。指示を出してたのは、蘇芳先生だから」
「…」

三条先生の答えに、雪愛は黙り込んだ。…まさか、指名したのは、蘇芳先生?

「…どうかした?」
「…いえ、なんでも。持ち場に戻りますね。…また、ヘルプが必要な時は言ってくださいね」

そう言って頭を下げ、行こうとすると。

「雪愛ちゃん」
「…はい?」

「…今度、休みが合ったら、食事でも行かない?」
「…え?」

突然の誘いに、目を丸くする雪愛。そんな雪愛に、三条先生は、メモ帳に自分の携帯番号を書き、手渡した。そして自分のメモ帳を差し出し、雪愛の携帯番号を書かせる…雪愛は断れず、番号を書いた。
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