蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
「…あの、離してくれますか?」
「…嫌だと言ったら?」
真顔で言われ、雪愛は目を見開いたが…
「…痴漢だって叫びます」
と、これまた、真顔で言い返す雪愛に、負けたのは蘇芳先生で。
でも、可笑しくなったのか、蘇芳先生は、肩を震わせて笑い出した。
「もぅ!笑い事じゃありません!」
相変わらず顔が赤い雪愛。
…そうなのだ。いくら真顔でも、これだけ顔が赤ければ何の威力もない。
…むしろ、可愛くて仕方がない。
「ったくお前苛めるの、癖になりそうだ」
「…真顔で言われると、怖いんですけど」
対照的な2人の顔に、通りすがりの人達は、好奇の目で見ていた。
「…蘇芳先生、お願いだから、帰りましょう。他人の視線がイタイです」
懇願する雪愛にようやく蘇芳先生は頷いた。
…雪愛を自宅に送り届けた蘇芳先生は、特に何も言わず帰ろうとする。
「…あの!ご馳走様でした」
「…今度はもっと、良い店に連れてく」
「…え」
目を丸くする雪愛をその場に残し、蘇芳先生は去って行った。
…また、食事に行く事になってしまっている。なんの約束もしていないが、蘇芳先生はきっと、また、強引に雪愛を連れ出すのだろう。そう思うと、溜息をつかずにはいられない。
…でも、2人の食事は、意外に楽しかった。と、どこかで思う雪愛だった。
「…嫌だと言ったら?」
真顔で言われ、雪愛は目を見開いたが…
「…痴漢だって叫びます」
と、これまた、真顔で言い返す雪愛に、負けたのは蘇芳先生で。
でも、可笑しくなったのか、蘇芳先生は、肩を震わせて笑い出した。
「もぅ!笑い事じゃありません!」
相変わらず顔が赤い雪愛。
…そうなのだ。いくら真顔でも、これだけ顔が赤ければ何の威力もない。
…むしろ、可愛くて仕方がない。
「ったくお前苛めるの、癖になりそうだ」
「…真顔で言われると、怖いんですけど」
対照的な2人の顔に、通りすがりの人達は、好奇の目で見ていた。
「…蘇芳先生、お願いだから、帰りましょう。他人の視線がイタイです」
懇願する雪愛にようやく蘇芳先生は頷いた。
…雪愛を自宅に送り届けた蘇芳先生は、特に何も言わず帰ろうとする。
「…あの!ご馳走様でした」
「…今度はもっと、良い店に連れてく」
「…え」
目を丸くする雪愛をその場に残し、蘇芳先生は去って行った。
…また、食事に行く事になってしまっている。なんの約束もしていないが、蘇芳先生はきっと、また、強引に雪愛を連れ出すのだろう。そう思うと、溜息をつかずにはいられない。
…でも、2人の食事は、意外に楽しかった。と、どこかで思う雪愛だった。