蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
三条先生が連れて行ってくれたのは、今話題のイタリアンレストラン。

こんな高級そうなレストランにほぼ来たことのない雪愛は、どうしていいかわからなかった。

でも、それを察したのか、三条先生が丁寧に教えてくれて、楽しい食事になった。

雪愛は思った。三条先生は、女の子の扱いに慣れてるんだな、と。

「…とっても美味しかったです。ご馳走様でした」

満足そうな顔で言う雪愛を見て、三条先生は嬉しそうに微笑んだ。

「良かった。こういう店初めてだった?」
「…2回目です。女友達とこんな感じのお店に行った事があるんですけど、2人で、疲れたーなんで言い合っちゃって」

そう言って肩をすくめた雪愛。

「…今日もそんな感じだった?」
「…正直最初は…でも、三条先生が色々教えてくれたから、楽しめました」

そう言って再び微笑むと、三条先生は安堵の溜息をついた。

「今度は、もっと気楽に行けるお店、探しとくね」

「…あの」

今日は、仕方なく食事に行ったが、そう何度も行くのはどうかと思った雪愛は、三条先生にこういう事はあまりしないようにしようと、言うつもりだった。
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