蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
「・・・何が、ダメなんですか?」

ドキドキして、声が震えた。

そんな雪愛を真っ直ぐに見つめ、蘇芳先生が言う。

「…俺、どうかしてる」
「…先、生?」

「三条が、お前に触れる度・・・お前が、三条に微笑む度、・・・仲良さそうなお前らに、」
「・・・・ん?!」

蘇芳先生が、雪愛を、抱き寄せ、深く口づけた。

息をするのも忘れ、2人は幾度もキスをした。

・・・そして、ようやく離れた唇。やっと、息が出来た雪愛は、肩で息をした。

そんな雪愛を、愛おしそうに見つめた蘇芳先生は、そっと抱きしめる。

「…他の男に触れられるな。…他の男に、微笑むな」
「・・・」

「俺にだけ…その顔を見せてくれ」
「…先生?」

そっと蘇芳先生を見上げると、蘇芳先生も、雪愛を、見つめ返した。

「俺は、お前の事が・・・」

そこから先を聞く事が出来なかった。

「…三条先生」

抱き締められたまま、雪愛は、開いたドアを見つめ、呟いた。
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