蕩けるくらいに抱き締めて（続き完結）

訳が分からず、キョトンとした顔で、蘇芳先生を見上げる雪愛。

「…勘違いでもないか」
「…は？…え？」

蘇芳先生は困ったような顔になり、雪愛を見つめる。雪愛も困ったように蘇芳先生を見返す。

「…アイツが勝手に言ってるだけで、俺には全くその気はない」
「…アイツって？誰です？」

「…三条先生の…姉貴」

そう言うなり、また、蘇芳先生は溜息をついた。

「…三条先生のお姉さん、ですか。…さぞかし綺麗な人なんでしょうね。きっと、蘇芳先生とお似合いなんでしょうね
」

雪愛の口から、つい、本音がポツリ…。

「だから、違うって言ってるだろ⁈俺はアイツの事はなんとも思ってない。俺は、お前が‼︎」

「…私？」

焦りながら言葉を紡いでいた蘇芳先生がピタッと、言葉を止めた。

雪愛に真っ直ぐ見つめられ、蘇芳先生はまた、溜息をついた。

「…お前が…雪愛が…好きだ」