蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
…それから、どちらかともなく二人の顔が近づき、唇が触れ合った。

啄むようなキスから、次第に深くなっていく。

…しばらくして、離れた唇。

蘇芳先生は、雪愛のおでこに自分のおでこをコツンと当てた。

雪愛は恥ずかしくて、上目遣いに蘇芳先生を見る。蘇芳先生は、雪愛の両頬に自分の両手で優しく触れて、フッと微笑んだ。

「…雪愛はもう、俺のモノだから」
「…蘇芳先生は、私のモノ?」

小さく呟けば、蘇芳先生は嬉しそうに頷いた。

…こんな展開になるとは思わず、雪愛は終始夢見心地。

「…帰したくないんだけど」

と、蘇芳先生に囁かれれば、雪愛は、恥ずかしそうな顔で、はにかんだ。

「…蘇芳先生の傍に居たい…です」

…その夜。

二人の心と身体は通い合い、蕩けるような甘い一夜になった。
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