蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
やっとお風呂に行った蘇芳先生。雪愛は片付けをちゃちゃっと終わらせ、ソファーに座り、一息ついた。

「…同棲、かぁ」

雪愛は、蘇芳先生と恋人になれただけで、幸せ一杯で、同棲何てことを考えもしなかった。

雪愛だって、蘇芳先生とずっと一緒居たい気持ちはあるが、同棲となると、色々考える。

普段の雪愛は、どちらかといえば、だらしない。お休みの日はゴロゴロしてる事が多いし、格好もジャージが多い。

…かたや、蘇芳先生は、普段の生活をこうやって垣間見ることが出来たが、ラフな格好もサマになるし、ダラダラしている様子はない。

…普段の雪愛を見て、蘇芳先生は愛想尽かさないだろうか?

そう考えると、急に不安になってきた。

「…うーん…嫌われたらどうしよう」
「…誰に?」
「ひゃあっ!」

後ろから突然抱き締められ、雪愛はあからさまに驚いた。

ゆっくり上を見上げた雪愛。蘇芳先生は、雪愛の言葉の意味を早く知りたいと言った顔で、見下ろしている。
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