蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
三条先生から、雪愛に視線を移した薫子は、優しい笑みを浮かべた。

「…啓介、こちらは?」
「え?あ、看護師をしてる島崎雪愛さん。雪愛ちゃん、この人、形成外科医の三条薫子先生」

「初めまして。島崎雪愛です。…あれ?三条?」

雪愛は、三条先生と薫子先生を交互に見比べた。

すると、三条先生は苦笑いを浮かべた。

「…薫子先生は、俺の姉さん」

三条先生に言葉に、雪愛は驚いた。

「兄弟揃って美形ですね」
「…まぁ、嬉しい事言ってくれるわね」

雪愛の言葉に、薫子先生は、嬉しそうな顔をした。

「…あら?ちょっと待って…貴女、島崎雪愛さんて言ったわね」
「は、はい」

マジマジと雪愛を見つめた薫子先生は、パァッと明るい顔になった。

「貴女があの噂の雪愛ちゃんね!」
「…へ??え??」

噂の?一体どんな噂なのか?雪愛は、オドオドした。

「…薫子先生」

三条先生は口止めしようとしたが、無理だった。

「啓介の恋人でしょう?啓介が、雪愛ちゃんの事溺愛してるって、院内では評判なのよ」

…雪愛は驚きを隠せない。
そんな事は、初耳だった。
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