蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
「…お疲れ様」
「…あぁ、お疲れ様」

薫子先生の言葉にそう返した蘇芳先生。

2人で、廊下を歩いて更衣室に向かう。男女の更衣室は隣り合っている。

スタッフしか行き来がない廊下。木曜のこの時間は、もうほとんどスタッフも帰っていて、ほとんど人気はなかった。

「…それじゃ」

軽くそう言って、更衣室の中に入ろうとする蘇芳先生を、薫子先生が止めた。

「…どうした?」
「…蘇芳先生、やっぱり、彼女出来たでしょ」
「…」

薫子先生の言葉に、一瞬動揺した蘇芳先生だったが、黙っていてもいつかはバレる。だから、ちゃんを言おうと決めた。

「…島崎雪愛、でしょ」

薫子先生の言葉に、蘇芳先生は怪訝な顔をした。

…ここまで来ると、薫子先生の行為は、ストーカーだ。

「薫子、お前」
「…あんな子止めて、私にしてよ。私の方が、貴方を幸せにしてあげられる」

…そう言った瞬間、薫子先生は、蘇芳先生を自分の方に引き寄せ、あろう事か、唇を奪った。
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