蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
「…蘇芳先生の、…バカ」

静かな廊下。…ここにいる筈のない雪愛の声に驚き、振り返る。

…雪愛の瞳から、大粒の涙が落ちていく。


「…雪愛!」

蘇芳先生の制止も聞かず、雪愛は走り去った。

…そして、今に至る。

蘇芳先生はなおも自分の腕を掴む薫子先生を振り払った。

「もう俺達に近寄るな!」

そう言い捨てて、蘇芳先生は、雪愛を追いかけた。
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