蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
三条先生の指示で、レントゲンを撮り、骨には異常は認められないものの、腫れは酷く、ねんざと診断された。

「内科の先生の、診断。・・・大丈夫ですか?」

疑わしげな眼で雪愛は、三条先生を見上げた。

三条先生は苦笑して雪愛の頭を指でコツントした。

「失礼な・・・レントゲンに異常は認められないし、その腫れようは、どう見ても捻挫だろ?内科医でもそれくらいは分かるよ」
「…分かりました、信用します。それじゃあ、私は仕事に戻ります」

そう言った雪愛は、立ち会がったが、顔を歪め、ヨロケテしまい・・・でも、三条先生に支えられ、事なきを得た。

「…二次災害になるところだった」

三条先生はそう言って溜息をついた。

「・・・すみません」

流石の雪愛もシュンとする。

「それじゃあ、仕事はおろか、歩くのだって無理だろ?」
「・・・・」

「全治二週間ってところか」
「に、二週間?!そんなに仕事は休めませんよ。みんなに迷惑かけられません」

三条先生の診断を聞いて、雪愛は青ざめた。

「…その足で仕事にでられた方が、よっぽどみんなに迷惑だと思わない?」
「それは・・・」

確かに。この足で仕事をしても、何もできない。歩く事すらままならないのに。

「ここは大人しく家で療養するんだな。診断書は出しておくから・・・帰る準備が出来たら声かけて」
「・・え?」
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