自殺列車
青い蝶
田舎の、小さな駅舎が見える。
改札口の向こう側にすぐホームが見え、線路は1つしかない。
あたしの前をヒラヒラと踊るように飛んでいた青い蝶は、駅の入り口をスイッと抜けてホームへと出た。
あたしはその美しさに見惚れたまま、フラフラと無人改札を抜けホームへと立った。
「あれ……?」
ホームへ出たのはいいけれど、さっきまで人を誘うように飛んでいた蝶の姿はどこにもなくて、あたしは周囲を見回した。
小さなホームにはあたしの他に5人の男女がいて、それぞれ本を読んだり、欠伸をかみ殺したりしている。
そのどこにも青い蝶の姿はなく、あたしは肩を落とした。
その蝶は歩いていたあたしの前に突然現れたのだが、今まで見たことのない美しさに思わず浮いてきてしまったのだ。
昆虫などには興味のかけらもないあたしが、どうしてあの蝶にそれほど魅入られていたのか、その姿が見えなくなった今は疑問だけが残ってしまった。
改札口の向こう側にすぐホームが見え、線路は1つしかない。
あたしの前をヒラヒラと踊るように飛んでいた青い蝶は、駅の入り口をスイッと抜けてホームへと出た。
あたしはその美しさに見惚れたまま、フラフラと無人改札を抜けホームへと立った。
「あれ……?」
ホームへ出たのはいいけれど、さっきまで人を誘うように飛んでいた蝶の姿はどこにもなくて、あたしは周囲を見回した。
小さなホームにはあたしの他に5人の男女がいて、それぞれ本を読んだり、欠伸をかみ殺したりしている。
そのどこにも青い蝶の姿はなく、あたしは肩を落とした。
その蝶は歩いていたあたしの前に突然現れたのだが、今まで見たことのない美しさに思わず浮いてきてしまったのだ。
昆虫などには興味のかけらもないあたしが、どうしてあの蝶にそれほど魅入られていたのか、その姿が見えなくなった今は疑問だけが残ってしまった。
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