自殺列車
その様子にあたしの不安は徐々に募って行きはじめる。


こんな真っ暗な中ドアが開かないなんて、大丈夫なんだろうか?


もしかしたら今、車掌さんは外部と連絡を取っている最中かもしれない。


あたしは車両のつなぎ目へと足を進めた。


ドアの上半分はガラス窓になっていて、前の車両の様子がわかるはずだ。


そう、思ったけれど……。


2人の間から窓の様子を見ると、前の車両は真っ暗になっていてなにも見えない状態なのだ。


まさか、さっきの衝撃で停電でもしてるの?


でも、それならあたしたちの乗っている車両の電気がついているのはおかしい。


それに、この暗さ……。


まるで、外と同じような闇が前の車両にも続いているのだ。


目をこらしても、何も見えない闇だ。


「前の車両の人たちは大丈夫なのかな……」


この電車に乗っていたのはあたしたちだけじゃないはずだ。


だけど向こう側には人影も見えなくて、あたしは諦めて息を吐き出したのだった。
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