自殺列車
恐怖で喉が張り付き、悲鳴を上げることもできなかった。


そして……目の前に母親がいた。


母親はお酒くらい息をあたしに吐き掛け、そして言った。


「口を開けろ」


それが何を意味しているのかをすぐに理解したあたしは、懸命に首を振った。


嫌だ。


それだけは、絶対に嫌だ。


ブンブンと首をふるあたしを、母親が殴りつけた。


「口を開けろ!!」


血走った目があたしを睨む。


それでもあたしはいう事をきかなかった。


すると次の瞬間、母親はあたしの口を片手で掴み、無理やりこじあけたのだ。


「あがっ……」


食事もロクにしていないあたしは、力では抗う事ができない。


無理矢理舌を引き出され、嗚咽する。


唾液顎を伝って落ちていく。


ギラリと光るアイスピックの先端が目の前に掲げられた。


その、瞬間。


ザクッ!!


と身を切る音がして、アイスピックがあたしの舌を貫通したのだ。
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