自殺列車
ザクッザクッ!


と、一心不乱にあたしの下にアイスピックを突き立てる母親。


意識は朦朧としてきて、雪の寒さも消えていく。


気が付けば、あたしの舌はほんの数センチの幅でつながっている状態になっていた。


大きく開かれた穴はもうピアス穴でもなんでもない。


「もう少し広げようか」


母親がそう言い、あたしは目を見開いた。


振り上げられるアイスピック。


「あぁぁぁぁぁ!!」


叫び声をあげた次の瞬間、開きすぎた穴があたしの舌を切り落とした。


舌の半分ほどがボトッと落ちる。


母親は満足そうにほほ笑み、あたしに背中を向けた。


いやだ。


行かないで!


あたしを1人にしないで!!


あたしは苦痛に呻き、血と涙の中をもがき苦しむ。


切断された舌からは止まることなく血が流れ出す。


体に力は入らなくなり、あたしはその場に横倒しに倒れたのだった。
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