自殺列車
今からあたしをどういたぶってやろうか。


そう考えているのが目に見えてわかる。


「その前髪、ウザイね」


リーダー格の子が一歩前へ出てそう言った。


あたしはそれと同時に後ずさる。


屋上の出入り口はあたしの後方にある。


いざとなれば逃げられる場所まで後退しようと思った。


しかし……仲間の1人があたしの後ろの回り込んだのだ。


ハッとして振り向くと、その手にはカッターナイフが握られているのが見えた。


その刃が太陽に照らされてキラリと光り、あたしは青ざめる。


まさか、そんなものを持っているなんて思いもしなかった。


カッターナイフを持ったこがニヤリと笑う。


「ねぇ、バッサリ切ってあげようか?」


そう言い、刃を伸ばす。


怯えたあたしはその場に尻餅をついてしまった。


それを見て笑い始める4人。


まさか、本気でそんな事したりしないよね?
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