自殺列車
でも、あたしは先輩の事は好きじゃないし、会話だってしたことがない。


「どうせデマだろ。それか、こいつが自分で書き込んだんだろ」


彼女はそう言い、あたしの頬をナイフで叩いた。


「そ、そんな事してない!!」


必死に誤解を解こうとする。


その書き込みだってどうせ嘘だ。


書き込みが原因でこんな事をするなら、今すぐにやめてほしい。


でも……。


「デマでも関係ない。今はお前が憎くて仕方がないんだよ!」


彼女はそう言ったのだ。


「でもあたしは本当になにも知らな……!」


左の頬を切り裂かれ、あたしは言葉を失った。


あたしにここから逃げる権利なんてない。


そう言われた気がした。


あたしはただの八つ当たりの的なんだ。


腹が立つ事があったから、いじめる。


あたしはその攻撃を受けても、ひたすら耐えるだけ。


反論することも、抵抗することも許されない。
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