自殺列車
1人があたしを後ろから羽交い絞めにし、彼女があたしの体を切りつける。


残りの2人はその様子を写真におさめ、ゲラゲラと大声で笑うだけ。


ここにはあたしを助けてくれる人は、誰もいない……。


日が傾き、体中に切り傷ができたときあたしはようやく解放された。


羽交い絞めにされていた腕が解けると、力なくその場に倒れ込んだ。


「じゃぁ、また明日ここでね」


彼女はそう言い、仲間たちと一緒に屋上から姿を消した。


ドアの鍵が閉められる音が聞こえてきて、あたしはグッと唇をかみしめた。


ここまでしておいて殺さないなんて、卑怯だ。


ここまで血を流させておいて、殺人犯にならないなんて、おかしい!!


溢れ出す涙をこらえながら、あたしはヨロヨロと立ち上がりドアノブに手をかけた。


案の定、ドアは閉められている。


『また明日ここでね』


彼女はそう言った。


明日になればまた同じようにいたぶられるという意味だろう。
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